両部門とも大会史上初となる事実上の打ち切りという形で幕を下ろしました。
UTMFはコースを大幅短縮し約44kmのレースという形で終了。
STYはスタートから約3時間半が経過したところで中止。
どんなに高性能なシューズも、完全にぬかるんだ山道には勝てない。
どんなに高性能なレインウェアも、降り続ける大雨には勝てない。
そんな当たり前の事実を改めて認識させられる結果となりました。
UTMF/STYは国内でも最も有名な大会である故、万が一が起きることは許されません。
もし何かが起こってしまったら、大会の存続はおろか、日本におけるトレイルランニングというスポーツの今後を左右する可能性があります。
そう言った意味においては、運営目線で考えた場合スタートすることなくレースを中止にするのが一番ラクな選択肢です。
どんな選択肢を選んでも批判は起こりますが、スタートさえしなければ結果について運営が責任を問われることはありません。
逆に言えば、スタートした以上は選手・スタッフの安全やレースの結果について責任を持つということです。
今回の大会運営は一見すると安全第一の順当な決定に見えますが、実際にはかなりのリスクを犯しています。
では、なぜそんなリスクを犯してまでUTMF/STY両レースをスタートさせたのか。
これは個人的な推測になりますが…理由の一つは『トレイルランニングが自然の中で行うスポーツだから』ではないでしょうか。
悪天候も自然の一部です。
選手やスタッフはそれを理解した上で、敢えてそれに挑戦しているわけです。
だからこそ、大幅短縮や開始後数時間で中止という結果も自然がもたらしたものとして前向きに受け入れる必要があるのではないでしょうか。
『悪天候でも開催できる環境整備』
『十分なバックアップとなる代替コース』
『不運に備えた延期日程の設定』
確かに大会としては魅力的かもしれません。
ですが、そこまで至れり尽くせりだと…それはもうトレランではなくなってしまうような気がします。
冒頭の動画では、遙か海外から来た選手が「また来る」というような意味の言葉を掛けています。
私はインターネットでの観戦のみ勢ですが、また来年も開催できることを陰ながら願っています。
【トレイルランニングの最新記事】